「経済と美術・歴史から見た美術史」とスプーン曲げ

8月25日、ガーデンカフェときそらに行ってきました。店内のギャラリー汀で、「佐藤伊智郎展・鉄の世界」が開催中なのですが、今回は佐藤伊智郎さんの「経済と美術・歴史から見た美術史」を受講、3時間に及ぶ濃密な内容でした。

 

まずは「経済と美術」……「美大を卒業してもメシが食えない」とよく言われるように、「美術・芸術とは高尚なものであり、金儲けだなんてとんでもない」という風潮が日本では根強いのですが、そういう風になったのは実は戦後になってからなのだそうです。
何かをつくりあげること、創作活動をするためには色んな原材料や道具が要ります。作品の展示や販売にあたっても、様々なものや人が動きます。経済活動の一貫であることは疑いようのない事実。「美術は経済」、伊智郎さんは今までの経験を交えながら、アーティストを取り巻く業界の経済活動についてわかりやすく解説してくださいました。

そして「歴史から見た美術史」……人類の登場以前から「美」を追求する動物が存在していたということからはじまり、古代文明や神話、宗教との関わり等を取り上げながら、社会の動きとは切っても切り離せない美術の変遷の歴史を辿りました。
伊智郎さんの解説は、カリグラファーとしての視点から西洋キリスト教の歴史を学んだ私の知識を拡張させてくれるもので、私の美術史に対する認識がさらに深まりました。

もうひとつ「スプーン曲げ」……といっても超能力ではありません。伊智郎さんは金属作品を製作しています。「鉄は熱いうちに打て」と言われるように、金属加工は一般的に熱を加えて行うものなのですが、伊智郎さんの場合は「手び錬り」と言って、金属に熱を加えずそのまま手でグイッと曲げるのだそうです。と言っても単なる「力任せ」というわけではありません。金属を曲げるときに大切なことは以下の2つらしいです。

  • 金属は硬い、という「思い込み」を捨てる
  • 手や腕だけではなく、自分の身体全体のもつ力を対象へ向かって効果的に放つ

ということで私たち受講者もスプーン曲げに挑戦! 伊智郎さんの指示通りに身体を使って…少しだけ手伝っていただきましたが…下のように曲げることが出来ました!(スプーンのねじれ具合が手に馴染んで持ちやすくなりました)

私はこの2日前にアートについての取材を受けたばかりということもあり、本日の講義は自分のアートについての考え方をあらためて整理するのに役立ちました。テキストやメモを見直し、理解をより深めて今後の活動へ役立てていきたいと思いました。佐藤伊智郎さん、本当にありがとうございました!

佐藤伊智郎さんのサイトはこちら https://ichiro000.web.fc2.com

「佐藤伊智郎展・鉄の世界」はガーデンカフェときそら、ギャラリー汀にて8月27日まででしたが、2週間程延長になったようです。

 

お店の前にあるオブジェも佐藤伊智郎さんの作品。金属に熱を加えずに曲げる「手び錬り」だからこそ織りなすことのできる自然のカーブが美しい。

 

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